睡眠パターン
睡眠は私たちの幸福感に欠かせません。人により必要な睡眠時間は様々です。私たちは、日々の仕事をこなし、エネルギーや活力を保つためにも十分な睡眠を必要としています!睡眠不足では、私たちの精神的・肉体的健康全般に重大な影響が及びます。睡眠の専門家によりますと、ほとんどの成人は7~8時間/一晩の睡眠が必要とされますが、全ての方に当てはまるのではなく、4~11時間の間であれば正常と考えられます。一人ひとりに合った睡眠時間を確保する事が重要です。また、深い眠り(睡眠サイクルの真ん中にある眠り)を十分にとる事も重要であります。生活の質を向上させる事が出来ます。
もちろん、長距離の飛行機や旅行中、夜中に乳幼児に起こされるなど、しかたの無い理由で眠れないことは誰にでもあります。しかし、ストレスや不安、憂鬱(うつの様な症状)は、長期にわたる睡眠不足の可能性があります。天然アロマが、落ち着かない夜や眠れない夜を克服する事に役立つかもしれません。不眠症になると、「夜眠れなくなるのではないか」と事前に心配する様になり、悪循環に陥る場合があります。残念ながら、今日では睡眠薬の使用が増え、このような問題はあまりにも一般的です。自然で依存性のない植物性アロマで休息・睡眠をとれば、合成麻薬に代わる代替品となります。アルコールも睡眠薬と同じ受容体を介して作用するので、最初は眠りを誘発しますが、その効果は僅かしか持続せず、最終的には眠りが途切れます。
ストレスと燃え尽き症候群
最近、友人から次のような鋭いコメントを聞きました。「私たちはもはや人間でなく、人間の行為者なのだ…」 現代社会で、不眠症と燃え尽き症候群が史上最高値にある事は驚くべきことではありません。
「私たちの多くは、睡眠を取って休んだつもりでいますが、それでもまだ疲労困憊しています。その結果、高い業績を収め、高い生産を生み、そして慢性的疲労と燃え尽き症候群という文化が生まれました。私たちの多くが休息不足に陥っているのは、休息の力を理解していないからです。私たちが本当に必要なのは、休息革命であり、日々の休息だけでなく、本当に必要な時期の休息も計画し、優先順位をつけることであります」- ダルトン・スミス博士『神聖なる休息』(*)
(*)サンドラ・ダルトン・スミス博士は、学会認定の内科医であり、ワークライフインテグレーションの研究者です。燃え尽き症候群防止戦略で従業員をサポートできるよう、独自の 7種類の休息方法 を通じて職場の健康を回復することに特化した専門能力開発機関である Resorasis の創設者
日常生活や休息・睡眠時間を見直す必要がある兆候には、以下のようなものがあります:
◌規則正しい睡眠をとっているにもかかわらず、常に疲れを感じる
◌肉体的な疲労を感じているが、就寝前に心を静めることができない。
◌大き過ぎる感覚的な負荷に圧倒されている感じがする。
◌仕事の会議や社交的交流の後、過度に疲れを感じる。
◌落胆しやすく、涙もろい、イライラしやすい、怒りやすい。
私たちが日常で経験するストレスフルな状況にはさまざまな種類があり、過労の箇所により必要な休息もさまざまな種類があります。私は肉体的、創造的、社会的、感覚的、感情的、精神的な過負荷やプレッシャーに苦しんでいるのか、自身に問いかける必要があります。そうすれば、ウェルビーイング(幸福感)を高めるために、どのような新しいタイプのルーティンを取り入れる必要があるかを検討し始めることができます。
必要な睡眠時間は個人により違います。スッキリ目覚めるために必要なのは、睡眠の質と量だけではないからです。朝、目覚めが良い人もいれば、夕方、元気が出る人もいます。必要な睡眠時間は、時期やその他の要因によっても変わり、これは自然なことなのです。
季節のサイクルに合わせる
冬になると、私たちは自然とゆっくりとなり、睡眠が長くなります。これは、私たちの体が太陽のサイクルと日照時間の影響を受けるからです。ほとんどの動物と同じで、私たちは「日周」サイクルに固定されています。何千年もの間、私たちは日中に活動し、夜は寝る、このサイクルで機能するように進化してきました。この概日リズムは深く刻み込まれていて、生化学的なレベルで検出することさえできます。これは、冬に冬眠する生き物や、もともと夜行性の生き物とは大きく異なります。わずかな光さえ安眠を妨げる可能性があるので、暗い部屋で眠ることも最適な健康のためには不可欠です。そのため、寝室には遮光ブラインドや裏地付きの厚手のカーテンを取り付けるか、アイマスクを着用するのが効果的です。
太陽の光は、目覚めや活動を促す重要な合図であるので、北半球の様な日光を浴びる機会が少い環境では、自動的に活力の低下を感じます。なので、一年中同じペースで仕事や活動を続る無理をするよりも、こうした季節のサイクルに合わせて、冬の間は休息と睡眠を優先させた方が健康的な事を示す新たな証拠が見つかりました。つまり、暗闇を受け入れて回復の時間をとり、肉体的、感情的、精神的にも、意識的にスローダウンする時間をとる事です。
光の質や人工照明の浴びすぎにも重要な考慮事項であり、そのため、夜は照明を落とし、温かい光のランプの使用が、多くの睡眠専門家に推奨されます。ブルーライトの一種を有するLED電球は、健康的な睡眠パターンに特に悪影響を与えます。というのも、目覚めの為に脳に「昼間の信号」を伝える、目の光受容体は、ブルーライトに特に敏感なのです。ブルーライトは、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、電子書籍リーダー、テレビ画面からも発せられるので、就寝の少なくとも1時間前には、あらゆる機器の画面を見ない事が重要です。また、夕方に人工的なブルーライトを浴びすぎてしまうと、睡眠の導入に重要なメラトニンの生成が抑制されます。
休息とリラクゼーション
十分な休息と睡眠をとることは、特に年齢を重ねると、私たちの健康に欠かせないものになります。しかし、ソファに横になって映画を見るような表面的にはリラックスする状態と、認知的、身体的、感情的に全身のスイッチをオフにするのとは、大きく違います。後者のリラクゼーションは、現在行っている要件や忙しさからの逃避、あるいは少なくとも休憩を意味します。これは、瞑想、ヨガ、呼吸法、自然の中を歩く、あるいは、日記を書く、スケッチをする、バードウォッチングをする、熱めのお風呂にゆっくり入るなどの、好きなことをして過ごすだけでもよいのです。
このような活動の全ては、私たちの神経系のストレスを促進するメカニズム「闘争か逃走か」という本能を不活性化し、代わりに本当の回復と再生に必要な、本当に心が安らかな状態の促進に役立ちます。心が静かであることも、ぐっすり眠るための必須条件です。過ぎた日の出来事や明日への不安で頭がグルグルしていると、眠りにつけな事は誰もが経験しています。なので、リラクゼーションを日常に取り入れる方法を見つけ、健康的な睡眠パターンを促す方法や儀式を学ぶ事が重要なのです。
豊かな香りの夜の儀式
天然のアロマは、リラックスと睡眠プロセスの促進に何千年も使われてきました。このために、お香を儀式に使う習慣が今日に至るまで、世界中の文化圏であります。フランキンセンス、ミルラ、アミリス、サイプレス、ジュニパー、サンダルウッドなどは、私たちの意識を高め、呼吸をリラックスさせて穏やかな精神状態に導くために古代から使われてきた天然アロマのほんの一部です。植物性アロマは、身体的、生理的、心理的な影響を同時に与えることができ、独特な治療薬でもあります!香りを吸い込むと、私たちの気分や記憶を司るいわゆる「原始脳」を介し、感情やエネルギーレベルにも影響を与えるのです。つまり、エッセンシャルオイルや他の天然アロマが、肉体的、感情的、精神的のスローダウンを助けるのに理想的なのです。ここでは、アロマを使用した夜の儀式のアイデアをいくつかご紹介しましょう:
芳香浴:就寝1時間ほど前に温めのお風呂に入ります。筋肉がリラックスし、自然に体温が上がります。お湯の中にエプソムソルトをひとつかみ入れると、痛みや腫れが和らぎます。さらに、ラベンダー、カモミール、ベチバー、クラリセージなどのエッセンシャルオイルなどをお湯の中に数滴垂らます。その香りの蒸気を吸い込むと、神経系全体が落ち着き、ストレスが緩和され、深い眠りにつく事ができます。入浴後には、体を冷やすというプロセスも、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促します。お風呂に浸かった後は、就寝前にカモミールやホップなどのリラックス効果のあるハーブティーで水分を補給することも大切です。 ヒポクラテス(*)は、健康長寿の秘訣に、毎日の入浴とアロママッサージを勧めていました!
(*)古代ギリシアの医者
香りのボディオイル:熱いお風呂やシャワーを浴びた直後は、ボディオイルを肌に塗るのによいタイミングです。肌が温まり毛穴が開いている状態ですと、心地よいボディオイルが血流に素早く吸収され、興奮状態や精神的ストレスが緩和され、安眠を促します。セルフマッサージやパートナーでのマッサージによるリラックス効果と組み合わせて、このプロセスは特に栄養を与えてくれます。また、温め効果のボディオイルをは、関節痛や筋肉疲労、節々の筋肉によく知られた治療法であります。
吸入:夜寝る直前に、背筋を伸ばして座り、数分の間静かに呼吸に集中します。私たちの心は自然と呼吸のパターンに従っていて、ゆっくりと呼吸を行えば、心は自然と落ち着きます。簡単な呼吸法は、4つ数えながら鼻から息を吸い、息を止めて6つ数え、8つ数えながらすぼめた唇から息を吐きます。息を吐くときに少し間を置くよいです。このプロセスを無理の無い様に数回繰り返します。フランキンセンスやサンダルウッドなどのオイルは、瞑想の儀式に使われる伝統的な香りで、吸入する事で呼吸をゆっくりにする効果があります。
部屋での香り:「セイクレッド・スペース」、「マウンテン・エア」、「セレニティ」、「ブライト」などの、アクア・オレウムのディフュージョン・ブレンドの多くは、生理的、感情的、心理的な効果が、心を落ち着かせ、クリアにするために互いにサポートし合う、多レベルの効果をもたらす様にブレンドされています。「ディープスリープ」は、鎮静作用で有名なバレリアンルートと、インドで「静寂のオイル」として知られるベチバーがベースとなり、不眠症の克服にも役立ちます。寝室では、電気式のルームベポライザーを使うのが負いでしょう。夜は、火をつけたまま眠ってしまう恐れがあるので、キャンドル付きのオイルバーナーは使わないほうが良いです。眠りを誘う、心地よい環境を作る香りを選び、この儀式を1日の終わりに定期的に行います。
ピロースプレー:寝る直前に寝具や枕にラベンダーウオーターをスプレーしたり、ティッシュにラベンダーのエッセンシャルオイルを数滴垂らしたものを枕の下に置きます。寝つきが悪いときは、枕にラベンダーオイルを直接数滴垂らすと、すぐに眠りにつくことができます。ラベンダーオイルを足の裏に数滴塗り込むのも、穏やかな睡眠補助法です。ラベンダーオイルは速やかに血流に吸収されるので、天然の鎮静剤として効果的に作用します。
睡眠の秘訣
より良い睡眠とは、身体が毎日の儀式に慣れるようにする事です。
ヨガや瞑想をしたり、もっとリラックスする為に基本的なライフスタイルを変える事は、心身のストレス解消に役立ちます。健康的な食生活を心がけ、就寝3時間以内には重い食事を摂らない様な事も、より良い休息に役立ちます。アルコール、ニコチン、カフェインなどの刺激物を、特に就寝直前に避ける事も、安眠を確保する貴重なヒントとなります。
◌規則正しい睡眠習慣を作り、毎日決まった時間に起床する。
◌寝室を最適な温度に保つ。冷たすぎない様に気を付ける。
◌就寝前の多量の飲酒、特に過度のアルコールは避ける。
◌夜は早めに食事を摂る:寝る3時間前までが理想的。
◌空腹での就寝は不眠の原因となるので避ける。
◌騒音により睡眠が妨げられる場合は、耳栓を使用する。
◌寝室を機器類禁止ゾーンにし、寝室での電話の使用を避ける。
◌就寝前の少なくとも1時間はブルーライトを避ける。
◌寝室はリラックスするための場所としてだけ使用する。
◌大きくて寝心地の良いベッドを購入する。
◌ペンと紙をベッドの横に置き、夢を書き留めておく。
◌心配なことがあれば、翌日に対処する様に書き留めておく。
◌長い昼寝をしない。
◌定期的に楽しめる運動を見つける。
◌毎日少なくとも30分は体を動かす(就寝直前は避ける)
◌眠くなる前ではなく、眠くなったら寝る。
◌眠れない時には、横にならずに、しばらく本を読んだり音楽を聴いたりする。
◌カフェインの多量摂取、糖分の多量摂取を避ける。
◌自分の好みのマットレス、布団、枕を用意する。
◌羽毛アレルギーを持つ人もいる。睡眠パターンに影響を与える可能性がある。
◌携帯電話の電源を、就寝1時間前までに切る。
0コメント