一年を通じて自然をたどる:日本の七十二候の詩的な美しさ

「花見」の伝統

日本人は自然を愛することで有名であります。その象徴が、春に初めて咲く桜の花を見るために毎年行われる国民的なお祭りです。

「花見」は、花の儚い美しさを楽しむ日本の風習です。これは、禅宗のテーマである「この世は無常であり、『秋の雲のように』速やかに過ぎ去り、『春の花のように』速やかに消え去る」という認識と関連しています。

毎年4月に行われる桜祭りは、桜の木がライトアップされる夜間イベントもあります。開花期間は通常4月5日頃から始まり、5月まで続くこともあります。また、日本の俳句には自然界への言及が多く、禅の庭や寺院では、自然界がもたらす本来の静寂への畏敬の念が感じられます。


日本の72候

古来、日本では1年を24区分(節気)してきましたが、自然界は72の小季節により鮮やかに生き生きと現われます。伝統的な日本のカレンダーは、詩的な表現で自然の移り変わりを表現し、1年の小さな区切りに具体的な名前をつけて季節の移り変わりを表現しています。元々は東アジア全体でよく知られている中国の古典資料から取られたもので、1年は、2月上旬の立春から1月下旬の大寒までです。


それぞれの期間は4~5日程度で、現在の形では、大地が目覚め、生命を開花させ、冬の到来とともに冬眠状態に戻るという、1年を通じた詩的な旅を表現しています。各セクションを含むカレンダー全体は、こちらでご覧いただけます。

4月は、7つの小区画があります

3月31日~4月4日:雷乃発声

4月5日~9日:玄鳥至(ツバメが帰ってくる)

4月10日~14日:鴻雁北(雁が北上する)

4月15日~19日:虹始見(最初の虹が出る)

4月20日~24日:葭始生(ヨシの芽吹き)

4月25日~29日:霜止出苗(露が終わり稲の苗が育つ)

4月30日~5月4日:牡丹華(牡丹の開花)


今を生きる

このように一年を通して自然の営みに関わることは、身の回りで起こる微細な変化に目を配り、ゆっくりとした時間を過ごし、その時々の状況に気を配ることにつながります。この考え方は、田舎でも都会でも、どこに住んでいても、どんな状況でも同じように適用できます。公園を散歩したり、庭で過ごしたり、窓辺や鉢の手入れをしたりと、都会にいても自然とつながる方法は必ずあります。また、エッセンシャルオイルを日常的に使うことも、五感を刺激し、自然界とつながる非常に効果的な方法です。 すべてのエッセンシャルオイルは植物から直接抽出されているため、季節の移り変わりや気分の変化を反映したアロマを選ぶことができます。例えば、ベルガモット、グレープフルーツ、ライム、セドラなどの柑橘系オイルは、お風呂やルームヴェポライザーで使用すると、気分を高揚させ、リフレッシュさせてくれます。また、ネロリオイルをベースにしたディフュージョンブレンド「ブライトン」は、冬の暗闇から新芽が出る春の雰囲気を反映しています。


季節のムード

以前、ウェールズのエピント山脈の近くに農家を持ち、3エーカーの庭を手入れしていました。そこで私は、庭に起こる小さな変化を毎日日記に書いていました。日本の72の詩的なスケッチと同じように、季節をじっくりと観察するようになったのです!細部に目を向けるだけで、冬の寒い霜や、雨が止まない日でさえも、季節のさまざまな雰囲気をより深く理解できるようになりました。4月になると、庭は濃い葉のスミレ、沢山の紫のビンカ、土手にはサクラソウが咲き、谷の小川のそばには繊細な白いアネモネが現れました。私が育てていたローズマリーの木も、春になると花を咲かせ(農家の南側の壁に立てかけておけば、夏の終わりにも花を咲かせる)、4月には美しい紺色の花で覆われました。ローズマリーは、私の大好きな春の「元気をくれる」オイルのひとつです。

今年は、早咲きのスピノサスモモの花が散るのを見送り、公園や庭のあちこちで桜やモクレンの花の愛らしさを楽しむことができます。 我が家の牡丹は地面を突き破り、すでにたくさんの蕾を見せ、白い水仙は湿った暖かい空気の中で、まるで麻薬のような甘い香りを広げています。私のキッチンテーブルの上には、鉢植えの春の花々が沢山咲いていて、テーブルの上で食事ができないほどです。甘い香りのジャスミン(Jasminium Officinalis)やマダガスカルジャスミン(Stephanotis)、黄色のカウスリップや水仙。香りの高いヒヤシンスの花は、ブルーベルの近縁種で、この森の中をゆっくりと霞んだ青い海に変えてくれるでしょう。今年の3月は雨が多く、寒い日が続きましたが、4月になれば暖かい日が続くでしょう。4月初旬のこの時期、私の詩的なフレーズは

優しい雨、最初のブルーベルが現れる