自然療法の利点

自然療法とは?

自然療法とは、私たちは自然環境と繋がり、その影響を受けているという考えに基づいた新しい心理療法です。自然との繋がりを感じる利点と、それが心身に良い影響を与える事を裏付ける科学的研究が増えています。英国のメンタルヘルス機関が実施した研究では、自然環境の中を散歩するだけで、参加者の71%がうつ病の症状が%軽減しました。自然の中で過ごす有益な効果は、五感すべてを通して体験した場合に特に顕著になると研究で示されています。

ウォーキング、ガーデニング、サーフィン、ランニングなどの屋外活動は、ストレスを軽減し、闘争・逃走ホルモンであるコルチゾール値を下げるのに役立ちます。しかし、窓から木々や緑の野原を眺めたり、通勤途中に川沿いの曳舟道をサイクリングしたりするなど、目に見えない状況からも自然がもたらす健康効果は得られます。例えば、家庭用品のリサイクル、使い捨てプラスチックの回避、自然保護活動への参加など、環境に配慮した行動を選択することは、自然とのつながりをより深く感じる方法です。



五感を通した自然とのふれあい

自然と直接触れ合う事は、日常の浮き沈みの中、私たちをしっかりと地に足をつけさせ、私たちが自然界の一部であると思い出させます。芳香性ハーブの鮮やかな緑の香り、花瓶に飾った生花の鮮やかな輝き、木目のざらざらした質感、暖炉の揺らめく炎が包み込むような温かさ。この様な感覚的五感体験は、私たちの中にあるシンプルで原始的な感情を呼び起こし、慰め、滋養そして安心感を与えてくれます。家の中であらゆる自然の要素に囲まれて過ごすと、五感が高まり、そして非常に原始的なレベルで魂を癒しているのです。

持続可能な素材を家具や住まいに選び、私たちが住む空間や場所に適応させることが必要かもしれません。例えば、レモンやユーカリのエッセンシャルオイルで表面を消毒したり、ディフュージョンブレンドオイルのような天然のアロマを芳香剤として取り入れたり、ラベンダーやベルガモットオイルなどの天然アロマで洗濯物に香り付けするなど、植物由来の洗浄製品に切り替えることも。ガーデナーズワールド(英国BBCのテレビ番組)によると、ペパーミントやラベンダーのエッセンシャルオイルを水に混ぜて窓辺やドア枠などの入口にスプレーすると、アリの侵入を防ぐ効果に役立つそうです。可能な限り有機栽培された食品や製品を選びましょう。



より環境に優しく、責任のある生活

身近な環境の中で毒性のない物質のみを使用することは、責任感を取り戻すのに役立ちます。ヘザー・ホワイト氏(*)は著書『60 Days to a Greener Life(より環境に優しい生活への60日間)』の中で、女性たちの投票権を求める嘆願運動の為に一世代を要したことを指摘し、今日の集団的努力が環境に対する意識の大幅な変化をもたらすことができると述べています。

(*)20年にわたる環境擁護活動と全国的な非営利団体のリーダー、非営利団体OneGreenThingのCEO兼創設者。


「個人の行動が文化変革を促します。文化変革なしには、世界的な政策や市場の解決策は機能しません。」



有機農業はこの運動の重要な部分であり、環境保全の原動力の一つです。現在、世界の人口の大部分は都市部に住んでおり、大気汚染、水質汚染、騒音公害にさらされる毎日です。同時に、不安やうつ病などの精神疾患の発生率は世界的に上昇しています。都市であろうと田舎であろうと、日常生活に小さな変化を加えることで、私たちは皆、こうした広範な生態学的・社会学的課題の解決に貢献することができます。研究によると、日常的に自然と触れ合うだけで、より心地よく過ごせるようになることが分かっています。これは、恐怖、不安、うつ病、高血圧、ADHDといったストレス関連の症状(今日、子供たちにも蔓延している)が急増している事とは対照的です。